タバコ部屋もなくなった今。「社内の重要情報を知らない」状態を平常心で過ごすために:「無知」の技法 スティーブン・デスーザ、ダイアナ・レナー 日本実業出版社
ビジネスパーソンにとって、情報は力である。人は「知らない」状態を恐れ、わかりやすさを求め、明確であることを好むが、果たしてそれが正しい姿勢なのだろうか?
こんな人に:
自然体で仕事したい人。
部下や上司に対して「こんなことも知らんのか!」と怒りがわく人
効果効能:
「知らない」状態をポジティブに捉えられる。
知ってることでいばらない謙虚さが身に付く。
他人の「知らない」状態に腹を立てなくなる。
新鮮な目で物事を見られるようになる。
自分的持ち帰り:
人間は、神経学的に、予測のつかないものをさけ、確実なものを好む、という前提。
「知ってることはいいことか?」という問い。
知っていること、は常に変化する、という事実。
固定された思考回路<成長する思考回路。
知らないという闇は新たな光を呼び込む自由と光を差し出している。
矛盾や曖昧さをも楽しめる開かれた心で、黒か白かを決めない中庸の生き方をしていけばいいのです。(ペマ・チョドロン)
「ない」を需要する能力=ネガティブケイパビリティ。
グラミン銀行=何も知らなかったからこそ、挑戦できた。これまで培った経験や知恵を捨てるのではなく、それを新鮮な視点を塞ぐ壁にしてはいけない。
「手放す」ことの重要性。
真に優れた学者、真に優れたリーダーならば、既存の知識を「疑う」という行為を楽しむ。
知力だけに頼るのではなく、使える感覚ーー視覚、聴覚、嗅覚、触覚、味覚ーーを通じて情報を集める。
沈黙のための場をつくる。
4つの聞き方。(U理論)
問いかける。
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もし、あなたが企業で働くビジネスパーソンだったら「社内の重要情報」を知らないことによる不安といったらないだろう。言ってみれば人は「情報」を制するために出世をめざすと言っても過言ではない。
リモートワークが増え、タバコスペースでの雑談はおろか、誰がどのマネジャのフォロワーなのかも見えにくくなった今。「知らない」ということを強みにでき、「知らない」こと、とは何なのかを「知っている」としたら。少し気が楽になるんじゃないかな。知識だけじゃなくって、フレッシュな心で。あえて無知な人になって、空気を読まずにポーンと言った意見がとおったら、爽快だと思う。