行動しないことでむしろ存在感が増す?「しない」の効用/「無為」の技法 ダイアナ・レナー スティーブン・デスーザ 日本実業出版社
場の作り方、未来型の組織について考えさせられる一冊。不確定な時代を生きるためのヒント?になるかもしれない。
こんな人に:
仕事しすぎる人。残業多い人。
詰めが甘い同僚が嫌いな人。
人の話が聞けない人。人の話をつい奪ってしまって嫌われるひと。
効果効能:
「いろいろやらない方がコスパいいよ!」っていう衝撃の事実に気づく。
現代における無為の実践法を知る。
自分的持ち帰りポイント:
役割と自分自身を区別できなくなると、人は役割以外の自分を犠牲にして、仕事に過剰にのめり込みやすい。
「ない」を需要する力=待つ、耐える、観察する、耳を傾ける=ネガティブケイパビリティ=ただ反射的にリアクションしたくなる恒常的なプレッシャーに負けず、変化に対して身構えずに対峙する力。
ただ「在る」。
「沈黙は、私たちの努力や意思を抱きとめるゆりかごのようなものだ。沈黙の懐の広さがあるからこそ、私たちは自分の仕事に専念しつつも、日々の慌ただしさに追われて背を向けている世界との繋がりももっていられる。沈黙は自由を得るための魂の休息だ」(デイビッド・ホワイト)
「聞くことに徹する方が得るものが多かったーーと私は言った。昔なら考えられなかったほど、多くのことに気づいた、と。」(レイチェル・カスク)『トランジット』
解決しようとせず、意見しようとせず、結果をコントロールしようとせず、ただ本質を聞き取ろうとする力。
抵抗をやめ、全てを掌握していたい欲求を手放せば、新しい可能性を信じてオープンに向き合うことができる。
「長く学んできた知識を手放すには時間がかかる」。(セネカ)
「アボリジニの人々は早くから聞く力を身につけてきました。きくことができなければよい生き方をすることも、人の役に立つ生き方をすることもできません。私たちは聞くことで学のぶのです。質問することではなく。観察し、耳を傾け、十分に待ち、そして初めて行動を起こします。こうしたやり方をアボリジニは4万年以上も伝承してきたのです」
言葉を押し出さず、発言したいという衝動も介入させず、相手にしっかりと関心を向けて聞く。それによって、自分がいる環境にプラスの作用が生じる。
指揮者がオーケストラと観客双方の様子をしっかり聞く姿勢をもっていれば、耳を傾けるものどうしの一体感が生まれる。
アンハリードカンバセーション。
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コントロールフリークにならずに、ニュートラルな状態で落ち着いて対応できる人になるために。傾聴の重要性が繰り返し述べられている。